メルマガバックナンバー＠エンパシーデザイン・ラボ通信（2014年10月2日）より
文／インタビュー：エンパシーライティング・コーチ 平出ももこ
＠＠＠
《今週のエンパシーヒーロー》山崎 泰央 先生
石巻専修大学 経営学部 教授
東日本大震災後、ゼミの学生さん達と共に、
被災した方の声を、地道に集めつづけ、
2013 年、復興ボランティア学を開講。
今年度から復興ボランティア学ワークショップを
全国の大学とコラボ展開中。
この記事の目次
◆思わず取材したくなるプレスリリースが必要でした
……
ももこ
山崎先生が、
エンパシーライティング・１DAY 講座を
受講したきっかけ教えて頂けますか？
……
山崎先生
そうですね、まず、
学生たちの、文章を書くことに対する、
抵抗をなくすために、
役に立ちそうなメソッドだなと思いました。
それと、共感という言葉に惹かれましたね。
私は、マスコミに向けて
プレスリリースを書く機会が多いのですが、
目的は、新聞社やテレビ局の人に、
復興ボランティア学に関わる
学生たちの活動を、
取材してもらうことなんです。
自分の分かっていることを、
ただそのまま伝えても
共感も、興味も持ってもらえません。
そうなると当然、取材にも来てくれない。
もっと、共感されて、
マスコミが思わず取材したくなる文章が、
書きたいと思っていました。
……
ももこ
それで、エンパシーライティング講座に
参加してくださったんですね！
講座中は、どんな感じでしたか？
◆共感も復興ボランティアも知ることから始まる
……
山崎先生
講座中は、すごく楽しかったです。
いろんな人に意見が、
もらえるっていいですよね～！
自分を全く知らない相手に、
自分の活動を説明することで、
まさに多面的視点が得られ、
表現は、本当に磨かれました。
そのおかげで、復興ボランティア学の
コピーが生まれたんですよ！
……
ももこ
おお！
『知ることから始まる復興支援もあります』
ですね。
……
山崎先生
結局、地元以外の人は現状を、
『知らないんだ』ということを
目の当たりにしました。
首都圏では、もう新聞にも
ほとんど取り上げられてないという
情報ギャップに、
まず知ってもらうことからなんだと
気づいたんです。
『知ることから始まる復興支援もあります』
このフレーズが、講座中も、
１番、共感されました。
これをもとに、紹介文、プレスリリース、
チラシ、ポスター、全部作りました。
……
ももこ
大きな気づきがありましたね！
読み手との情報の
ギャップを見逃すと、
永遠に相手目線になるのは難しいですよね。
◆共感の一言で、ボランティアに参加する学生が 10 倍に
……
山崎先生
実は、このコピーはマスコミや
他の地域の方にも評判は良いですが
同じくらい、学生たちにも、
共感されているんですよ。
去年は、
君たちは地元の大学生なんだから
率先してボランティアに
参加するべきだと話してましたが、
あまり反応は良くなかったんです。
でも、今年は、
まずは、復興ボランティア学の
講座にでて、知ってほしい。
知れば話したくなるし、
話せば興味を持つようになって、
何か行動したくなるよ。
そう言い続けていたら
学生がボランティアに参加する数が、
去年の 10 倍になりました。
……
ももこ
10 倍～！すごいですね！
身近な学生さんが共感して
動いてくれるの、嬉しいですね。
……
山崎先生
実は、本当にそうなんです！
今、在学している学生は
震災の時は石巻に、
いなかった子が多いんです。
でも、就職活動の時には、
必ず石巻での震災や復興支援に
ついて、企業から聞かれますから、
今のうちに理解し学んでおく
必要があると思っています。
……
ももこ
そうですよね。
石巻の大学生なら当然、
震災や復興支援のことは
多少は、知ってると思いますよね。
その他に何かエンパシーライティングで、
成果のあった事例はありますか？
……
山崎先生
ありますよ！
今年の 3 月 11 日の学生主催の
追悼イベントのプレスリリース用に、
エンパシーチャートを描きました。
やはり、この日は、
特別な日ですから、
各地で様々な催し物があり、
マスコミに取材に来てもらうのは、
難しいだろうと、正直、あきらめていました。
それが、当日は、
なんと新聞社 ５ 社、テレビ局 ２ 社が、
取材に来てくれたんです。
これは、絶対エンパシーライティングの
おかげだったと思います。
……
ももこ
学生さんたちの想いが、マスコミの方々の心を
ギュッと掴んだんですね！
それにしても、すごい競争率だったと思うので、
素晴らしい結果でしたね！
……
山崎先生
ありがとうございます！
これからもドンドン、エンパシーライティングを
学生たちと一緒に描いていこうと
思っています。
……
ももこ
最後に、エンパシーチャートを描くときの
コツや工夫があったら教えてください。
◆講演直前の心の準備もエンパシーチャートで
……
山崎先生
工夫というか、講演を頼まれた時に、
話しのストーリーラインを
ミニ・エンパシーチャートに描いてます。
プレゼンの資料は出来ていても、
その日、講演を聞く人にあわせて、
どんな風に話をして、
どこに重点置こうかなと、
手のひらサイズの手帳に
エンパシーチャートを描くんです。
その一枚で、心構えができて、
すっと気持ちがラクになるんです。
……
ももこ
エンパシーチャートを一枚描くことで、
講演の全体像が見えるので
安心して初めての聞き手の前でも
お話できますよね＾＾
今日は貴重なお話が聞けて、本当に、勉強になりました！
ありがとうございました！
★山崎泰央先生の本日のまとめ★
◆思わず取材したくなるプレスリリースが必要でした
どんなに良い活動も、知られなければ、
存在していないのと同じことです。多くの人の
智慧となる活動にこそ、共感される魅力的な
プレスリリースが必要なのです。
◆共感も復興ボランティアも知ることから始まる
読み手の『知らない・情報がない』を真摯に、
受け止めることで生まれた、相手目線の文章が、
多くの人に共感され支持されています。
◆共感の一言で、ボランティアに参加する学生が 10 倍に
山崎先生は、「失敗ということはないよ、
とりあえず、やってみよう！」と、学生さん達を普段から、
励ましてらっしゃいます。それで、上手くいくと、
ドンドン楽しくなって、活動も活発になるそうです。
◆講演直前の心の準備もエンパシーチャートで
講演に向かう電車の中で、エンパシーチャートを一枚、
ささっと描くだけで、本当に気持ちがラクになるそうですよ。
人前でお話をする機会のある方、ぜひ、お試しください。
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