メルマガバックナンバー＠エンパシーデザイン・ラボ通信（2016年10月15日）より
文／インタビュー：エンパシーライティング・コーチ 平出ももこ
＠＠＠
《今週のエンパシーヒーロー》：山本篤さん
音楽家専門の身体ケアスタジオ『Merge Labo』代表
楽器の調律するかのように、音楽家の身体が、常に最高の状態で演奏にむかえるように、日夜、研究と実践を重ねる山本さん。
山本さんのセミナーに参加した音楽家は、10人中10人が音の変化を体験します。
たった五分の指導で、音が倍増した吹奏楽部など、事例多数です！
◆音楽大学の授業構成にもエンパシーライティング
……
ももこ
山本さんは現在
『音楽家の身体のケアの専門家』として、
大阪芸術大学で基礎医学を、
教えてらっしゃるのですよね！
素晴らしいですね！
……
山本さん
ありがとうございます。
今年の４月から、
大阪芸術大学の3回生に、
演奏のための基礎医学を、
実践を交えて授業をはじめました。
１コマの授業に、ピアノや声楽など、
専門がバラバラの生徒たちが
同時に参加しているので、
授業の内容を考えるのは、
なかなかカンタンではないんですね。
ただ、エンパシーライティングを使うと、
９０分授業の組み立ても、
毎回、テーマに合わせて、
しっかり作ることが出来るんですよ。
それと、3回生ってまだまだ若いので、
身体もいくらでも使いこなせるから
悩みもない。
もちろん、
運動生理学や解剖学なんて、
正直、興味を持っていません。
……
ももこ
私も興味をもてない授業には
なかなか集中できなかったので
生徒さんの気持ちも、
いまは伝える側の大変さもわかります。
……
山本さん
最初は
「なんでこんなこと習わなあかんの？」
という状態でした。
それが、エンパシーチャートで発想した
「今は大切さが、
わからないかも知れないけど、
将来的こんなふうに使えるよ」
「実は、みんなの先輩は
こんなこと悩んでるよ」
などの
共感の言葉がけをしていくと、
反応があきらかに変わるんです。
目の輝きや姿勢も、パッと変わって、
実技にも積極的に参加してくれたり、
質問も多くでます。
たとえば、練習してるのに
思うような音が出ないとか、
演奏によって身体に不具合が出るなど、
困ってる生徒さんがいるときは、
チャンスなんです。
「こういうこと困るよね」
と共感してから、
「実は身体の構造はこうなっているんだよ」
と知識を伝えると、自分ごとになって、
スッと聞いてくれるんです。
……
ももこ
やっぱり、自分ごとになると、
学びも深まるんですね！
◆リハビリと流れが一緒なんです！
……
ももこ
エンパシーライティングを
学んだきっかけを、
お聞きしていいですか？
……
山本さん
私は、勤務していた病院を
2014年に退職して
『音楽家専門の身体ケアスタジオ』を
開業しました。
準備の段階で、
開業に必要な情報を集めているときに、
エンパシーライティングと
出会いました。
……
ももこ
それでエンパシーライティング1DAY講座に、
ご参加くださったんですね。
講座中はいかがでしたか？
……
山本さん
まず、感激したのが、
私が19年間やってきたリハビリと、
エンパシーチャートの考え方が
全く同じだ、というところでした。
まず、リハビリの患者さんは、
「治りたい、元気に動けるようになりたい！」
というプラスの感情と、
もう一方で
「こうなってしまって家族に申し訳ない」
という気持ちや将来への不安など、
マイナスな感情も同時に抱えて、
モンモンとされている方が
多くいらっしゃいます。
この２つの感情に寄り添わなければ、
リハビリは始められないし、進みません。
全体の流れも、はじめに患者さんの、
未来の幸せのビジョンを明確にして、
お互いにゴールを共有します。
それに沿って
「リハビリを頑張りましょう！」
というプラスの言葉がけと、罪悪感、不安など
マイナスな感情に寄り添った
言葉がけをしながら、
リハビリをしていくのです。
まさに、エンパシーチャートと
同じ流れですよね。
……
ももこ
すごい！本当に同じ流れです！
……
山本さん
そういった意味で、
エンパシーライティング自体に
すごく共感して、これは面白い！
新しい仕事にも
活用していきたいなと思いました。
◆手放せない考え方になっています
……
ももこ
受講後は、大学の講義作りの他に、
どんな場面で、お使いですか？
……
山本さん
ブログの記事や、セミナーの告知文など、
色々な場面で活用させていただいています。
エンパシーライティングは、
私にとって、すでに、
手放せない考え方に
なっているんですよ。
私は、音楽家の方々に
演奏に必要な身体のことを
お伝えしています。
音楽家が、身体について学ぶことって、
自分の身体の可能性を
最大限に発揮し、演奏の質を高めたり、
ケガの予防や回復などの
自己管理の一環として、
アメリカやヨーロッパでは
一般的な考え方なんです。
でも、残念ながら日本には、
その文化がほとんど
定着していないのです。
……
ももこ
それを日本に定着させていくために
山本さんの存在は大きいですね。
……
山本さん
つまり、”全く興味が無く”
“全く必要性を感じていない”分野を
「これは大切ですよ」と
伝えていく立場にあります。
この点において、
音楽家の視点＝「これって必要ないよね？」
という視点をもったメッセージを
発信できなければ、この考え方が、
拡がっていかないということなのです。
そこを踏まえながら、
音楽家の方々が日々抱えている、
悩みや課題解決をしたいと思っています。
“客観的に” 必要な身体の知識をお伝えして、
身体の面から、たくさんの音楽家の
最高のパフォーマンスを
応援していきたいと思います。
◆オススメしたいのは音楽の先生
……
ももこ
最後にもし、エンパシーライティングを
誰かにオススメするとしたら、
どんな方に勧めたいですか？
……
山本さん
今、思い浮かんだのは、
私の活動を応援してくださっている、
名古屋の音楽学校の校長先生です。
その方がエンパシーライティングを
知ってくださって、
さらに、その学校の音楽講師の方々が、
生徒さんを指導される時に、
活用してくださったら、
生徒さんが、もっとハッピーになると思います。
音楽講師の方は、
演奏家として素晴らしい方々が、
多いのですが、
口下手な方が多い印象なので＾＾
……
ももこ
なんとなくわかります。
音楽での感情表現が素晴らしいほど、
口下手になってしまうのかもですね。
今日は興味深いお話、
たくさんありがとうございました！
★山本篤さんの本日のまとめ
（まとめと言いながら書ききれなかったことも＾＾）
◆音楽大学の授業構成にもエンパシーライティング
今の子は飽きると、すぐにスマホを見だすのですが、彼らの気持ちを、想像し、共感を寄せた言葉がけをすると、スッと顔が上がるそうです。
いかに自分事と思わせるか？が授業の成功のカギになります。
◆リハビリと流れが一緒なんです！
リハビリが必要な患者さんのネガティヴな本音。
これを無視して「がんばろう！」とポジティブな言葉がけしながら、筋トレしても、患者さんは、なかなか、治っていかないそうです。
理学療法士さんが、ネガティヴな本音に寄り添うことで、患者さんは、辛いリハビリも、この人と乗り越えていこうと思うのです。
◆手放せない考え方になっています
興味が無く、必要性も感じていない読み手が、興味を持ち、実践したくなる文章を書くのは、ちょっとだけハードルが高く感じます。
でも、読み手がまだ自覚していない、隠れた『悩み』や『本音』を見つけて、そこに届くメッセージが書けたら、きっと、その読み手は、すぐに、あなたのお客さまになってくれるでしょう。
エンパシーライティングはそんな場面でも大活躍します。
◆オススメしたいのは音楽の先生
山本さん曰く、演奏家として素晴らしいテクニックを持った音楽学校の講師の先生たちも、生徒さんに、ご自身が培ったテクニックや知識を的確に言語化して伝えたり、最新の情報を元に指導するのは、不得意な方がいらっしゃる。
そんな方にエンパシーライティングをぜひ！オススメしたいです。とのことでした。
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