「僕は、大きくなったら、サラリーマンになる!」
これが、幼稚園のころの私の夢でした。
というのも、私の父親は、毎日、規則正しく生活し、サラリーで生きていくことが、人生なんだ! という人だったので、小さな私が、そんな夢を描くのは、当然だったのかもしれません。
決して、裕福な家庭ではありませんでしたが、とても、幸せだったのをよく覚えています。
幸せなのが、当たり前だと思っていました。
それだけに、他の選択肢をもたず、サラリーマンになることが、幼い私の夢になっていました。
■ 大学を卒業して、就職・・・
父親も母親も、建築の仕事をしていました。
その姿を、小さな頃からずっと見ていたので、建築以外の仕事をすることを、考えられませんでした。
大学では、建築を専攻し、就職も、大手ハウスメーカーに決まりました。
父親も母親も、息子が同じ業界で働くことは、自分たちの生きた証明になるような、そんな感覚だったと思います。
直接、そういったことを、口に出して、言うタイプの両親ではありませんでしたが、
「跡継ぎができた!」
といった感じで、とても喜んでいるのを肌で感じました。
そうやって、喜んでいる両親を見て、親孝行したような感じがして、私もうれしく、そんな自分に誇りさえ感じました。
■ ハウスメーカーでの現実
仕事がはじまり、3ヶ月間の研修が終わって、実際の設計業務がはじまりました。
とても華やかなイメージと、ワクワクする期待に胸を膨らませ、飛び込んでいった設計の世界。
そこに広がっていた世界は!
※注:10年以上前のことです
・夜中まで働く上司
・若くして入院する先輩
・たまにある休みの日には、ひたすら眠るだけの寮の先輩
・・・・
そして、仕事ができなかった私に、その現実はすぐにやってきました。
・日々の業務は、夜中の1時過ぎまで
・終電もないので、自腹でタクシーで寮に帰る
・休みも返上して、一心不乱に働く
そんな、生活の延長に見えたものは、入院や離婚をしていく自分の姿。
「このままではダメってしまう・・・」
という危機感から、先輩に紹介してもらったビジネススクールに、光を見出すようになりました。
鬼のように忙しい中、すがるような想いで、学びにいく毎日。
■ 自分の人生ってなんだっけ??
私が、19歳の頃、バイクの事故で亡くなった友人がいました。
自分のキャパシティを超える悲しみに、永遠と涙が止まりませんでした。
19歳で命を断たれた友人。
24歳でも、まだ生きれている自分。
ふと・・・
「彼ももっと生きて、したかったことがあったのかもしれない」
「私は、彼が生きたかった世界を生きているのではないのか」
「いま僕は、彼が夢に見た時間を生きているのではないか」
そんなことを、よく考えるようになっていました。
(自分の人生はこのままでいいのか?)
そんな想いがふと頭をよぎり、日に日に、その感情が自分の中で育っていきました。
その想いが、感情のコップから溢れ出たとき、私はある決断をしました。
「会社を辞めよう!」
■ 今までの自分を振り返ってみると・・・
・親からの無言の期待
・大手に入社できたという満足感
・うらやましがられることで満たされる自尊心
そんな頼りない感情に、もたれかかっていたのかもしれません。
ただ・・・
「これが本当に、自分がやりたいことだろうか?」
と、自分に投げかけてみたときに、それは、私を会社につなぎとめておくには、あまりに弱々しい、感情でした。
そう想いはじめたら、このまま、留まることはできませんでした。
やりたいことをやらなければ、19歳で亡くなった友人に合わせる顔もない。
勝手に、そんなことすら思いました。
■ 会社を辞め、新たな一歩を
会社にいきながら、通っていたビジネススクールは、同時に、ベンチャーキャピタルをするベンチャー会社でした。
多くの気づきと、素晴らしい仲間。
それを与えてくれた、その会社の社員になることが、いつしか、私の目標になっていました。
ただ、現実は厳しく、自分のレベルでは、社員には程遠い。
・営業力
・体力
・指導力
・モチベーションアップ能力
・説得力
・交渉力
・コミュニケーション能力
こういったものが、すべて求められる社員の基準を前にして、そのときの私は、あまりにも幼すぎました。
全然届かない。。。
・・・もう駄目かもしれない。
憧れのベンチャー会社。
心の底から社員になりたいと願う日々。
「がんばれば、きっと叶う!!」
何度も何度も、心の中で叫びました。
■ 諦めきれない!
辛いからと言って、諦めるわけにはいきません!
アルバイトをしながら、スクールに通い、そこの社員から、盗めるものをとことん盗んで、成長して社員になってやる!!
そう決意し、あっという間に、9ヶ月が過ぎました。
だけど、一向に社員になれない。
(社員には、なれないかもしれない・・・)
今まで、想像することをかたくなに、拒んでいた言葉が、幅を利かせ始めました。
自分よりも、後から入ってきた人が次々と社員になり、活躍していく、姿をみながら、本当に、自分がちっぽけで、頼りない存在に思えました。
人生、はじめての挫折。
悔しくて、悔しくて、それでも諦めきれなくて・・・
でも、届かなくて・・・
心では、号泣しながら、人前では、笑顔を見せなければならない、自分にも、もう限界がきていました。
来月の4月で、社員を目指して、10ヶ月になる。
「来月で社員になることができなければ、この道は、自分には縁がなかったと思って、諦めよう」
緊張の意図が切れかけていましたが、それでも、最後の力を振り絞りだして、何とか、がんばりました。
すると・・・
約10ヶ月の末に、憧れのベンチャー会社の社員になれる許可がおりました。
「やったー!!!!!!!」
それはそれは、本当にうれしかったです。
まさに、飛び上がって喜びました!
今までの苦労が、サーッと、と音を立てながら、快感に変わっていくのを感じました。
これまでの生きてきた中で、ここまで、がんばって達成した事が、他にあっただろうか。
あまりの喜びで、今まで、ひたすら我慢していきたものがはじけ、ダムが決壊したように、熱いものが、ボロボロと溢れてきました。
「やったぞ!」
・・・が
つづく → [振り返り日記] 現実という名の「絶望」(2/3)
.
今、このブログをお読みのあなたにオススメ
30,000人の定番コピーライティングノウハウが無料!
▼ 詳しくはこちら ▼