メルマガバックナンバー@エンパシーデザイン・ラボ通信(2016年2月18日)より
文/インタビュー:エンパシーライティング・コーチ 平出ももこ
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《今週のエンパシーヒーロー》:佐久間賢志さん
学校法人朝日学園 朝日塾小学校 教諭
NPO法人KNOWS理事
認定フューチャーマッピングファシリテーター
つねに大胆に、情熱的に子どもたちを導く佐久間先生ですが、同時に内に秘めた優しさ、繊細さで、慈雨のように子どもの心の成長も促してらっしゃいます。
この記事の目次
◆『ありがとうの手紙コンクール』の学校賞もエンパシーで!
……
ももこ
書籍『6分間文章術』にも掲載されている
朝日塾小学校での
エンパシーライティングの特別授業は、
佐久間先生の声かけが
きっかけだったとお聞きしてます!
……
佐久間先生
たまたま同じ研究会の先生の
エンパシーライティングの
実践発表を聞いて
「これはいい!」と思って、
開発者の中野巧さんに
学校に教えにきてもらえませんか?
とお願いしたんです。
それで、ビジネス界から
文章のスペシャリストが来ますよ!
ということで、小学5年生60人に
『20歳の自分へのメッセージ』を
テーマに作文の授業をしていただきました。
それがきっかけで、
今は授業や卒業文集など、
いろいろな場面で活用させてもらってます。
一昨年は学校単位で
エンパシーライティングに取り組んで、
企業主催の
『ありがとうの手紙コンクール』に
応募して「学校賞」をいただいたんですよ!
……
ももこ
おお!!!
エンパシーライティング、
お役に立っててうれしいです!
◆学びを表現できる力をつけさせたい
……
佐久間先生
私自身は文章を書くことは大好きで、
書けなくて困ったことがありませんでした。
『書けない』という人の気持ちが、
正直よくわからなかったんです。
なので、作文の指導も
教科書どおりに教えていました。
でも何か、もっといい
ロジック(理論)があるのではと、
試行錯誤していたときに、
エンパシーライティングに
出会ったんです。
エンパシーチャートの中で
『読み手』を意識して
そこに寄り添うというところが
重要なポイントだと思いました。
たとえば、卒業文集でいうと、
それを誰が読むのか?
なんのために卒業文集を書くのか?
『読み手』や『目的』を明確にするだけで、
完成した作文の質が
まったく変わってくるんです。
理想は、ただあったことを書き連ねる
『エピソード作文』ではなく、
こんな出来事があったけれど、
それは未来のこんなことに役立つんだ!という
『学びを表現できる力』をつけさせたいんです。
……
ももこ
わかります!
ふつうに書くとエピソード作文に
なっちゃうんですよね。
私も小学校時代そうでした…。
◆この授業にはもう1つ意図があるんです
……
佐久間先生
いま5年生の『総合的な学習』で、
ストップモーションアニメを作っている
真っ最中なんです。
そのアニメの物語の部分を
エンパシーライティングで
作ったんですよ。
まず、校内の
『顔』に見えるところの写真を撮って、
それをもとにキャラクターを作ります。
そのキャラが活躍するヒーロー物語を
考えるところで、
エンパシーチャートを描きました。
……
ももこ
わー!楽しそうですね!
……
佐久間さん
金庫のダイヤルは、
学校を守る『見張るくん』
消火器のハンドルは、
くちばしを広げた『カラスのカーくん』
キャラクターを作るのは図工の時間、
カメラで撮影するのは総合科、
作文を書くのは表現科。
教科に渡って一つのテーマで、
数ヶ月かけての取り組みですが、
子どもたちも楽しんでやってます。
でも、この授業には
私なりのもう1つの意図があるんです。
ただでさえ、5年生は
自我が芽生える時期で、
対家族、対友達、対先生といった
人間関係の中で悩みを抱えちゃうんですよね。
うちの場合、中学入試もあるので
勉強の悩みもありますし…。
そこで、
自分が投影されたキャラクターが、
学校の中で困っている誰かを助けて
活躍する物語を描くことで、
少しでも心に抱える悩みや
モヤモヤを表出させて、
昇華させていけたら
という意図もあるんです。
実際に子どもたちは
少なからず物語の中で、
読むと切なくなるような
リアルな心の声を
無意識につづっています。
でも最後は、自分の活躍で問題を解決し、
皆んなを120%ハッピーにする
未来を選んで物語は終わるのです。
……
ももこ
この授業は子どもたちの
心のケアに、必要なプロセスが
詰まった授業だったんですね。
◆望むハッピーを文章化することに価値がある
……
佐久間先生
理屈でリアリティを持って、
悩みやモヤモヤを書かせるよりも、
物語を描かせることによる
カタルシスの効果は高いのではと思います。
子どもたちの文章は、
いまは、五年生にしたら拙いなとか、
字が汚いなとかあるけれど、
力強く可能性に満ちていますから。
エンパシーライティングは
共感されるための文章術ですが、
使う場面によって、
大人にも子どもにも
深い気づきとカタルシスを
もたらすと思います。
自分が現状の課題を解決させて、
未来にはどんなハッピーを望んでいるのか?
それを文章化することに、とても価値があるのです。
今回のような深い意図を持った授業は、
新しい取りくみなので、
理解されにくい面もありますが、
これからも、少しづつ、
まわりの先生と一緒に
広めていけたらと思っています。
……
ももこ
佐久間先生の今後の取りくみを、
本当に応援させていただきたいです!
今日は貴重なお話をありがとうございました!
★佐久間賢志さんの本日のまとめ
(まとめと言いながら書ききれなかったことも^^)
◆『ありがとうの手紙コンクール』の学校賞もエンパシーで!
学校単位でエンパシーライティングに挑戦して、堂々の学校賞を受賞!子どもたちの持つ無限の可能性を、指導にあたった先生方の尽力と、
エンパシーライティングが『学校賞』というかたちに結実させました!
◆学びを表現できる力をつけさせたい
書くほうも読むほうも、全くワクワクしない『エピソード作文』。エンパシーチャートを1枚書くだけで日常のエピソードが、キラキラ輝く成長の記録に変身します。
◆この授業にはもう1つ意図が…
エンパシーチャートをセルフコーチングに使ってるよ!というコーチやカウンセラーさんのお声をよくお聞きします。
無意識にでた心の声が可視化されることで、一瞬にしてブレイクスルーが起こることもあるそうですよ!
◆望むハッピーを文章化することに価値がある
現状に対する不満や不安が大きい時、「じゃあどうなってたらハッピー?」というシンプル質問に破壊力があるのです。
望む未来のカケラだけでも見えたら、あとはそこにハシゴをかけて登るだけですよね!
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