メルマガバックナンバー＠エンパシーデザイン・ラボ通信（2014年3月20日）より
文／インタビュー：エンパシーライティング・コーチ 平出ももこ
＠＠＠
≪今週のエンパシー・ヒーロー≫ 中澤 武 先生
明るく情熱的に、医療系の大学・専門学校で、
哲学・倫理学・人間関係論を教えてらっしゃいます。
マインドマップ、その他のメソッドを駆使して、
多業種の集うビジネスモデル構築勉強会などでも
人気ファシリテーターとして、ご活躍中です。
◇ThinkBuzan公認マインドマップ・インストラクター
◇哲学博士（Dr. phil.ドイツ連邦共和国トリーア大学）
▼インタビューの目次
― 納得のエンパシーチャートが人生のマイルストーンに ―
― 学生になりきって考えた授業プランだから盛り上がる！ ―
― エンパシーライティングの魅力は「変化」―
― 発想の枠を最大限に広げてくれる必需品とは ―
この記事の目次
― 納得のエンパシーチャートが人生のマイルストーンに ―
……
ももこ
中澤先生は、公私ともに、
広くエンパシーライティングを使って
くださっているとお聞きしています！
……
中澤先生
はい。毎日、色々な場面で活用していますが、
最近、僕の中で内面化がおこっているんです。
……
ももこ
内面化といいますと？？
……
中澤先生
ご説明しますね。
僕が、今、１番エンパシーライティングを使っているのは、
定期的に開催しているマインドマップの講座の
集客のための文章です。
ほぼ毎日、いろいろな形で載せていますが、
実は、一枚のエンパシーチャートが
元になっているんです。
去年の春、マスター講座を受講した、
すぐあとに描いたものなんですが、
この最初の一枚に、
自分の伝えたい要素が全部入っているので、
どこかを取ったり、言い回しを変えるなどは、
頭の中で出来てしまうんです。
なので、毎回チャートは描くことはありません。
頭の中で完成させる感じです。
これが内面化、
“エアーエンパシーライティング”ですね。
……
ももこ
エアーエンパシー！よくわかります。
たくさん描いていくと自然にそうなりますよね。
……
中澤先生
この元になる１枚を、読み手の属性を変えたり、
省略版にしたり、バージョンを変えて、
今までずっと使ってきてるんです。
これのおかげで、
マインドマップの講座を事業としてスムーズに
スタートすることできましたし、
さらに、この４月からマインドマップを生かした
企業研修をスタートさせますが、
この流れもチャートのおかげで出来たと思っています。
この１枚は、僕の人生の、
ひとつのマイルストーンのような存在ですね。
……
ももこ
素敵です！
納得いく1枚のエンパシーチャートを完成させると、
本当にやりたいことや、今、すべきことが明確になるので、
その後はぶれずに進めますよね！
― 学生になりきって考えた授業プランだから盛り上がる！ ―
……
中澤先生
本業の大学では、学術論文や学会発表、
人前ではなす口頭発表の時には、
必ずエンパシーチャートを描いています。
印象に残っているのは、
去年の秋、（関西のある）薬科大学で、
「将来、医療にかかわる学生への基礎教育」の
シンポジウムがあって、パネリストとして
模擬授業の発表をすることになったんです。
先生達に、こんな授業をしたらどうですかという
発表の資料をエンパシーライティングを使って書きました。
聞き手として、1人の学生を決めて、
その講義を聞いて、寝ちゃったり、スマホをいじったり
「医療倫理なんて興味ないよ、
『生と死』なんて何それ？意味わかんない…」
という子に、興味をもって
聞いてもらえるように書きました。
……
ももこ
今、少し、読ませていただきましたが、
具体的な事例が前半にあって、
難しい専門的な話しも、すーっとひきこまれて、
興味を持ったまま、ぐいぐい読みすすみたくなりました！
……
中澤先生
ありがとうございます！
この発表は、すごく評判良かったんです。
「わかりやすいね！」
「いつも、そんなにすごい準備しているの？」
と言われて。
でも、これは実は１日で完成させたものなんです。
……
ももこ
えーー！
１日で完成させたとは、とても思えません！
……
中澤先生
この時期は、たまたま準備の時間が全くとれなかったんです。
シンポジウムの前日、模造紙の半分くらいの大きな紙に、
朝から夕方までで、エンパシーチャートを完成させて、
夕飯のあと、ぎゅっと２時間で文章化しました。
普通にやったら１週間か、
それ以上かかったと思います。
この時は、本当に時間的にピンチでしたが、
エンパシーライティングに救われましたね！
内容的にもエンパシーライティングのおかげで、
より聞き手に理解されたと思っています。
こういう場合、ほとんどの方が
論理的に頭脳に働きかけようとするんです。
でもハートやボディの方まで考えて働きかけるのが、
未来の医療者を育てる基礎教育の在り方には必要です。
そこが、エンパシーライティングの持っている哲学とも
共通してると思うんです。
……
ももこ
本当におっしゃる通りですよね！
……
中澤先生
知性と感情、両方に働きかけるのがエンパシーの極意であり、
本質的なところだと思っています。
それが、この発表でも生かされて、より理解され、
受け入れられたと思います。
普段から学生に伝えているのは、
自分が楽しいと思ったり、いやだなって思ったりする、
それと同じ感情を目の前にいる、
この人も同じように持ってるということなんです。
それを理解、体得して欲しい。
やっぱり共感、エンパシーなんですよね。
エンパシーライティングのいいところは、イメージを使って、
ポジティブとネガティブの両方の立場に
「なりきる」ところだと思っています。
「なりきる」といえば、
僕は、中野さんがマスター講座の最後におっしゃった、
「エンパシーライティングは、素晴らしい誰か、ではなく、
普通の人、凡人になりきることが重要」
という言葉が、強く印象に残っているんです。
教える側も、目の前にいる学生、
凡人になりきる姿勢が大事なんです。
学生になりきって考えた授業プランだから受け入れられたし、
実際の授業も盛り上がる！ということだと思います。
エンパシーの基本姿勢、「凡人になりきる」は、
僕の授業のやり方を全く変えてしまったし、
この言葉が、僕にとってのマスター講座のエッセンスですね！
……
ももこ
さすが中澤先生！ 目のつけどころが、素敵です！
本当に深く、理解してくださってる！
ー エンパシーライティングの魅力は「変化」―
……
中澤先生
僕にとってエンパシーライティングの魅力を一言で言うと、
“ものの見方”と“考え方”に
「変化」もたらすところなんです。
この２つが変わると行動が変わりますよね。
僕の体験なのですが、マスター講座の中で、
今後、エンパシーライティングを何に使っていきたいか
話しあう時間があったんです。
僕の場合は家内を幸せにしたいという
想いが１番に浮かびました。
その頃ちょうど、ため息や、
疲れた顔を見せることが多くなった彼女に、
苛立ったり、心配したりするしか出来なくて、
喧嘩になることも多かったんです。
そこでエンパシーライティングを知って、
人の表情、言葉を少し裏に回って見るようになったというか、
立体的に見るようになりました。
今までは、愚痴を聞くと、慌てて解決しなければと、
色々なことを言っていましたが、
愚痴が減ることはなかったんです。
その時は、ため息や愚痴を、
ネガティブなものとしか見ていませんでした。
講座のあとは、彼女の仕事に打ち込むポジティブな姿勢や、
責任感のあらわれでもあるなと、
黙って聞けるようになったんです。
そうしたら、彼女は、ため息をつかなくなったんです！
僕は、愚痴が始まっても、今までのように打ち消さず、
アドバイスも謝罪もせず、ふんふんと聞いてただけ。
……
ももこ
奥様が、うらやましいです…。
……
中澤先生
彼女の愚痴の裏にあるポジティブな、やる気とか、責任感とか、
それを黙って聞いて、受け入れて、
承認してあげるだけで良かったんですね。きっと。
今まで、僕は周りの人が言ってくることに、
慌てて対処していました。
ひとつきたら、ひとつ返して。
時には先回りして色々言ったんです。
それでけっこう大変な思いをしてました。
それをやめたら、落ち着いてきて。
家内は愚痴を言わなくなったし、
思いがけず、息子や母とも同じようなことがおこりました。
本当に、何もしていないようで、
怠けてるみたいなものなんですが。
……
ももこ
ご家族の情景が目に浮かぶようです…
素敵なエピソードをありがとうございます。
コミュニケーションにもエンパシーライティングの考え方を
取り入れてくださって…！
本当に嬉しいです。
もっと色々、お聞きしたいのですが、
最後に、エンパシーチャートを描く時、
工夫なさっていることがあったら、
教えていただけますか？
― 発想の枠を最大限に広げてくれる必需品とは ―
……
中澤先生
はい！
工夫というか、僕の場合はエンパシーチャート描いから
マインドマップを描いて文章にしてます。
……
ももこ
おお！それはまた個性的な使い方ですね！
マインドマップを描いてから
エンパシーチャートではなくて？
……
中澤先生
はい。
まず、エンパシーチャートで
全体の構成と流れを作るんです。
ポイントになるアイディアをどこに配置するかを
エンパシーチャートで描いて、
その後、マインドマップを描きます。
そこで、データや、新しい発想を加えたりしたあと
文章にする三段構えです。
もうひとつの工夫は、長い論文を書く時などは、
模造紙にエンパシーチャートを描きます。
そのためには場所が必要なので、
専用の“エンパシーデスク”を用意しています！
……
ももこ
おお！噂には聞いていましたが、エンパシー専用デスクですね！
紙が大きいと発想もどんどん出てきそうですね！
……
中澤先生
普通の書きもの机の横に、
エンパシーライティングデスクがあって、
常にチャートが広がっている状態で、
いつでも、作業に入ることができます。
チャートの上には透明な厚手のビニールのシートをひいて
作業しやすくしてあります。
資料とか本を広げられるし、大きいチャートをもとに、
他のチャートを書く事もあるので。
よく、ぼーっと眺めながら、
チャートの上でお茶飲んだりしてます。
……
ももこ
なんだか、楽しそうですね！
中澤先生の中で、エンパシーライティングが、
本当に内面化されてるのが良くわかりました！
今日は本当にありがとうございました。
ー 中澤先生の本日のまとめ ー
◆納得のエンパシーチャートが人生のマイルストーンに
納得いく1枚のエンパシーチャートを完成させると、
本当にやりたいことや、今、すべきことが明確になるので
その後は、ぶれずにグングン進めます！
◆学生になりきって考えた授業プランだから盛り上がる！
先生が、目の前にいる学生、「凡人」になりきって考えた
授業プランだから、先生たちにも受け入れられたし、
とうぜん、実際の授業も盛り上がります。
◆エンパシーライティングの魅力は「変化」
出来事や相手を立体的にみるようになる→解釈や考え方が変わる
→対処方法や行動が変わる→人間関係が変わる！！！
エンパシーライティングの可能性は文章術だけにとどまりません。
◆エンパシー専用デスクは、発想の枠を最大限に広げてくれる必需品
大きなチャートは、どんなに、たくさんのアウトプットも
受け入れてくれるし、それが、いつでも視界に入っていれば、
どんな小さなヒラメキも逃すことなく生かすことができます。
★集客関連情報のまとめはこちら→「集客まとめ」
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