『6分間文章術』ー神田昌典氏「はじめに」全文を無料で読む

6分間「はじめに」

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神田昌典氏はじめに

文章がうまくなるという噓

うまい文章を書けるようになる本なんて、噓っぱちだ。
人を魅了する文章は、こう書けとか、
人を行動させる構成は、こう組み立てろとか、たしかに一時的には、
疲労回復ドリンクのように、うまくなった気はするよ。

でも、そうやってつくられた文章は、ひと言で言って、
気持ち悪い。

私は、行動させる文章を書くプロとして、いままで数千人もの文章を添削してきた。
いまやミリオンセラーとなった方々の原稿を、ワープロ段階から見てきたし、いまや全国では知らない人はいない業界リーダーが頭角を現す突破口を、本を書かせることで拓いてきた。

でもね……、聞かないことにしておいてほしいんだが、
文章がうまいヤツは――初めから、うまいんだ。

あ、こうすればいいのか、とちょっとコツさえ教えれば、いつの間にか独自のスタイルを確立して、自分を見事に表現。またたく間に、言葉の力で、多数の人に応援され、独自の分野を切り開いたり、マスコミに登場したりするようになる。

そりゃちょっとした表現は、マネできますよ。だけれど、
本当にいい文章には、書き手の人柄が現れる。

それはテクニックとは、違うものだ。
言葉をつづるたびに、心の扉が開かれていき、書き手の心の奥底の澄んだ光が、表面に浮かび上がる。
その光が、すっと読み手の深くて、暗かった部分を照らし出し、断絶していた「私たち」のつながりを回復する。
そういう本質的な作業が、文章をつづるという作業であり、だからこそ、文章術なんて、噓っぱちだ、と私は信じてきた。

 

しかし……その思い込みをくつがえしてしまった……男がいる。
「中野巧」と書いて、なかのこう、と読む――正直、私は、彼の書いた巧みな文章に驚いたわけではない。

彼が、巧みな書き手を量産していくデザインプロセスに驚いたのだ。
私の思い込みを崩す、異変はあるとき、起こった。
私は、さまざまな社会貢献プロジェクトを立ち上げる、若手のビジネスパーソンのコミュニティを運営していた。
プロジェクトを立ち上げるためには、強力なメンバーを集めることが必須で、そしてプロジェクトを軌道に乗せるためには資金を集める必要がある。

それを成し遂げるカギとなるのは、最初から最後まで、「言葉」。
コンセプトを煮詰めて、企画書をつくり、それを告知して、応援してくれる人に呼びかけるプロセスには、どうしても言葉の力がなくてはならない。つまり、文章がうまくなければ、自分の収入を稼ぐだけじゃなく、ボランティアすらできない時代だ。

「神田さん、今回の企画を告知する文章――これでどうですか?」
そのように次々と転送されてくる文章。
また今度も、相当時間をかけて添削指導するんだろうな、と気が重かった。

 

ところが……回ってくる文章を読んだとたん――「これ、誰が書いたの?」という10文字を、パソコンに打ち込んでいた。
それがひとり出てくるだけだったら、久しぶりに才能を見つけた、というオチなのだが、それが何人も続いたのだ。
彼らが書く文章は、初めから終わりまで、息つく間もなく読ませるし、論理的に一貫し、読者の気持ちを理解している。そして何よりも、書き手の、輝く資質を見事に文字に変換できている。

「あ・り・え・な・い。普通のビジネスパーソンが、どうしてこんなに説得力のある文章を書けるのだ?」

この異変を起こした張本人が、中野巧であり、また彼が開発したエンパシーライティングの根幹をなす1枚のチャート――エンパシーチャートだったのだ。
これは、文章をつくるチャートだ。
起承転結というフォーマットがあるだろう。これは文章をつづる順番をカタチにしたものだ。

学校では、起承転結で書きましょう、と教えられるが、逆を言えば、文章を書くためには、それ以上の指導を受けることは、ほとんどない。だから、作文の宿題が出されたり、また論文を書こうとしたり、企画書を書こうとすると、そこで手が止まる。いや――手が止まるどころか、一向に文字が出てこずに、ストレスレベルはレッドゾーンに突入。自分には才能がないと、まっ暗闇の中で頭を抱える日本人を量産している。

 

違う――文章を書くためには、何を、どのように、どういう順番で、“あなたが言いたいのか”、ということではなく、何を、どのように、どういう順番で、“読み手が聞きたいのか”、という視点の反転が必要になる。
さらには、そのフォーマット自体が決められた融通性のないものであれば、書き手の内面の奥底で流れている美しい音楽が文章に投影されず、コピー&ペーストしたようなパターン化された味気のないものになる。

以上、このような見逃すことができない文章作成の問題点を解決するすべての作業が、たった1枚のチャートに組み込まれているのだ。
はっきり宣言するが、このような論理の一貫さと偶然のなしうる力を組み合わせたものなど、全世界、探し回っても見たことがない。
これは、日本が世界に誇れるオリジナルな文章作成法だ。

父母ともに建築家というデザインが染みついた男が、まるで建築を組み立てるように、文章をデザインしてきたからこそ、生まれた手法である。
しかし、私のこの驚きは、はじまりにしかすぎなかった。

驚くことは、大人ができるようになるだけではなく、いままで文章指導に困難を感じていた小学校から大学までの教師が飛びついた

そして、何よりも、いままでがんばってもほとんど文字をつづることができなかった子どもたちが、先生を驚かせる文章を喜んで書くようになったのだ。
その子たちは、それまで国語の時間、特に作文の時間が大嫌いだったのだ。
このように子どもたちが、文章を書くことが好きになっていく指導法が生まれたことは、画期的だ。
なぜなら、文章を書くことは、才能を見出すプロセスであり、その延長には、みずからの才能に目覚める日本人を量産できる未来が見えるからである。

エンパシーライティングのフレームワークには、
●相手を理解するプロセス
●社会を理解するプロセス
そして、
●自分を深く理解するプロセス
が含まれている。

そのプロセスを踏みながら、自分の内面に触れる作業をやっていくことで、自分の外面――すなわち社会に働きかけていくことができる。
つまり、エンパシーライティングを使うことにより、言葉の力で、社会をつくっていく力が得られるのだ。
そのような教育はすでに始まっている――本書の事例を見れば、その子たちに遅れを取っているのは、もはやこの本を手に取っている大人たちになりかねない

教育の話が先になったが、エンパシーライティングとは、そもそも大人が仕事で結果を出すためにつくられたフレームワークだ。

はっきり言えることは、あなたが文章で苦労していたなら……、もっとブログやフェイスブックでまわりに応援される文章を書きたいのであれば、そしてあなただけではなく、まわりの同僚や社員の、文章作成力を高めたいときには、エンパシーライティングに取り組んだほうがいい。
エンパシーライティングを組織全体で取り組めば、商品を深く理解し、社会を深く理解し、そして自分自身を深く理解するプロセスを全員で共有することになる。
このような価値創造のプロセスが、文章作成という日常の仕事と共振しながら動き出すのだ。

まさにマジックだが、我々が誇りに思うことは、このような知識創造時代に不可欠な文章作成のフレームワークが日本から生まれたことだ。思いやり(エンパシー)ほど、日本が世界に向けて広げる価値観としてふさわしいものはないだろう。
まずは、だまされたと思って、本書をめくり始めてほしい。

そして……ペンを持って、走り書きでもいいので、エンパシーチャートを1枚つくってみよう。
おそらく、その6分後には、書きたい内容が見えてきて、気づいたときには、パソコンのキーボードを叩き始めていることだろう。
そして文章を書き終え、自分の脳からあふれ出た言葉によりつづられた文章を、あなたが読み直したとき――

ひとりから世界が変えられるなんて、噓っぱちだ。
そんな思い込みが、きっと崩れることになるに違いない。

神田昌典

 

書籍概要『6分間文章術』

◆【巻頭カラー口絵】
【埋める⇒貼る⇒つなぐ】だけの3ステップで、共感を生む文章ができる
エンパシーライティングを使っている人たちにこんなことが起こっています……
⇒トヨタやソニー、三菱東京UFJ銀行、東芝、富士通、DeNAをはじめとする日本を代表する企業の社員や幹部が社内外で活用
⇒小学生が卒業文集や読書感想文の作成に活用&授業にも採用
⇒北海道から沖縄まで、全国各地で読書会を開催! 文章を少し変えただけで……フェイスブック「いいね! 」0⇒232 集客は3倍に!
⇒高校生がプレゼンに応用し、地元新聞社、テレビ局から取材を受けるほどのできばえ
⇒普通の主婦がプロのライターに転身
⇒案内文を変えただけで10万円の高額講座の集客が300%増!
⇒世界的なベストセラー著者とつながった、たった1通のメール

◆【神田昌典氏はじめに】
文章がうまくなるという嘘

◆【著者はじめに】
99%の人が大きな誤解をしています。相手の心を動かすのに、“文章力”はいりません!

◆【Part1】
あなたの文章に革命が起こる「7つの共感スイッチ」

◆【Part2】
【埋める ⇒ 貼る ⇒ つなぐ】だけ!
あなたの文章が6分間で変わる

◆【Part3】
もしビジネス経験のない女子高生が、集客のためにエンパシーチャートを使ったら

◆【Part4】
5つのストーリーの「型」で、あなたらしい文章に変わる

◆【おわりに】
共感を生み出す最大のカギ

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